おじさんにナンパされたら、忘れられない夜になりました。
先日、電車で知らないおじさんにナンパされました。
田園調布が地元の人といっしょに帰っているとき、
昭和時代の田園調布と中目黒について話していたら、
目の前に座っていた背広を着たおじさんが
「昔の中目黒はよかったね。
いまはもうオシャレになっちゃってだめだね」と
とつぜん、二人の会話に入りこんできました。
それから、おっちゃんのナカメトークに花が咲き始めます。
「ごめんね、どうしてもナカメの話が気になっちゃってね」
「中目黒は赤提灯の町だったんだよね」
そしてしまいには、
「お兄ちゃん、ちょっとこのあと飲みに行くかい?
中目黒のほんとうのいい店を紹介するよ」
と誘われ、そのあと居酒屋と寿司屋に連れてってもらいました。
「かんぴょうは、巻きじゃなくて握りがうめえんだよ。
うには、すだれにかぎるね
うにっつったら、ふつう海苔で巻くでしょ?
そうじゃねんだよ。すだれね、すだれ」
「ここのお寿司屋さんが考案したんですか?」と僕。
「ちがうよ。俺が考えてマスターに頼んだんだよ。
発想だよ、発想。わかる?発想だよ」
「どうだ、ここの中トロのサシ、うめえだろ」
「おいしいっす。めちゃめちゃうまいっす。さすがっす」
と、なんだかわけのわからないお寿司談義を受け、
たくさんご馳走になりました。別れ際に、
「たぶん次すれ違っても、忘れていると思うけどごめんねー!」
と意気揚々におっちゃんは家族の待つ自宅に帰っていきました。
その人と過ごした時間は、わずか数時間です。
でも、たぶん、一生忘れない時間になりました。
ナンパは、異性より同性のほうが、たぶんおもしろい。
2016年12月10日 12:00 AM | カテゴリー:ぜんぶ, 3バカ日誌 : 木村泰斗 | コメント (0)