『走れ長谷川』

長谷川は激怒した。
必ず、かの邪智暴虐(じゃちぼうぎゃく)の王を
除かなければならぬと決意した。
長谷川には政治がわからぬ。
長谷川は、村の牧人である。
笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。
けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。
きょう未明、長谷川は村を出発し、

・・・いきなり何をしているのかと言いますと、
『走れメロス』の冒頭部分の
「メロス」を「長谷川」に変えて、記してみたのです。

小説を読んでいて、
じぶんの名前や、知り合いの名前が出てくると、
せっかく小説の世界に入っていても、
一瞬で現実に引き戻されてしまいます。

逆をいえば、現実とリンクして、
小説家自身が予想もしなかった世界の想像を
読者は味わえます。

ふと思ったのですが、
電子書籍なら、主人公の名前をじぶんの名前に
変換することがカンタンにできますね。

なかなか流行らない電子書籍ですが、
こういう使い方を見ると、
ちょっと読書がたのしくなりそうじゃないですか?

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