豆腐屋

夜明けよりだいぶ前の時間。
いつも通りの仕事をこなす豆腐屋の主人と、
その二階建ての建物のうしろから
ライトアップされた東京タワーがわずかに見える。
薄靄のかかった空のなか、光りの微妙なぐあいが
不思議な雰囲気をかもしだしている。

最近お気に入りの景色。
ある商店街の小さな豆腐屋さんなんだけど、
なにやらすごい存在感がある。

ある日の朝、部活に向かっているであろう
高校生くらいの男の子が、信号待ちをしながら
通りをはさんだ豆腐屋の主人に
あいさつをしている光景を見た。
「おはようございまーす。」と高校生。
「お、気ぃつけてな。」と返す豆腐屋の主人。

なにげない朝のひとシーン。
でも、都会の真ん中で見るその光景は、
マンガか映画のように非現実的にうつった。
同時にそのお店の持つ存在感の理由が、
少しだけわかった気がした。

名所でなくても、
来てよかったと思える場所は、
いっぱいある。

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