音王子。

大きな用事をささっと済ませて、
センサーに手をかざした。

「ザバァーー!!!!!」

あれ、映像が変わらない。
目の前の景色が変わらない。
世界が動かなくなった。
いや、でも音が聞こえるということは、
時間は流れているはずだし、
ぼくは生きているわけだ。

センサーのところをよく見ると、
「音姫」
と書かれていた。

冷静になった。
冷静になって考えてみると、
音姫って水道代は減らせるけど、
電気代はよけいにかかる。
クチで水が流れる音を再現できれば、
電気代もかからずに済むではないか。

ちょっとムリがあるかな。
でもぼくは、駅のホームを歩いている最中に
不覚にも、音つきのオナラをしてしまったときは、
クチで「プープープーーー♪」と音を鳴らす。

最初の音を聞いた人は、必ず顔を見るはず。
そのとき、クチでプープー言ってれば、
「あ、なんだ、オナラじゃないのか」
と思われるので、オナラマンにならなくて済む。
ただし、ヘンな人だと思われることはまちがいない。
だけど、オナラマンに思われるよりはいい。

プープープーーー♪

コメント

コメントをお寄せください。

コメントの投稿

* コメントフィード

トラックバック

トラックバック URL : http://okakin.jp/blog/wp/wp-trackback.php?p=1372