こだわりの威を借る。
たとえば、
CDが流れる喫茶店より、
レコードが流れる喫茶店のほうが
こだわりがあるように見えます。
炊飯ジャーで炊いたご飯より、
お釜で炊いたご飯のほうが
こだわりがあるように見えます。
新車をいち早乗りまわす人より、
古い車にずっと乗っている人のほうが
こだわりがあるように見えます。
おなじように、鉛筆を使っている人は、
それだけで少しこだわりがあるように見える。
そしてこだわりのある人は、
「できる人」を想像させてくれます。
さらにこだわりのある人を演出するために、
少しだけ良い鉛筆を使うことをおすすめします。
そしてその鉛筆のウンチクを
ひとつふたつしたためておきましょう。
こだわり感はさらに強まります。
しかし、使っている理由は
あくまでも書き心地の良さである、
ということを忘れてはいけません。
さもなくば、ただのブランド好きの
ウンチク野郎と思われてしまうでしょう。
なつかしさのあまり
ガジガジしないようにしてください。
無意識に噛んでしまった場合は、
いっそのこともっとガジガジして
「うちの犬がさぁ」とごまかしましょう。
耳にかけると、ちょっと職人ぽくなります。
しかし人によっては勝負師ぽくなってしまうので
注意が必要です。
また、鼻と上唇の間に挟んでおどけたくなる
気もわかりますが、よほど自分の愛くるしさに
自信のある方以外は控えたほうが賢明に思います。
たった一本の鉛筆で、ちょっとできる人に見えてくる。
なつかしいだけでは、もったいないと思うのです。
2011年5月16日 12:00 PM | カテゴリー:ぜんぶ, 3バカ日誌 : 武井宏友 | コメント (0)