東京の夜は、空より、地面の方が光っている。

昼ごはんを食べに行った帰り、
いつも持ち歩くノートにつけていた
ピンバッジを落としました。

気に入っていたものだったので
このまま見捨てる気にはなれません。
仕事帰り、落としたと思われるルートを辿ってみます。

ふだん以上に下を見ながら
ゆっくりした足取りで進んでいると、
キラン、と光る物体を発見。
あ、あれかも!
淡い期待を胸に顔を近づけてよく見るも、なんだかちがう。
落ち込む暇もなく、またすぐキラッと光るものを発見。
あ、あれか!うーん、これもちがった。
その正体のほとんどは、飴やガムの包み紙。
紛らわしいほどにそれらで地面がきらきらしています。

結局、探し物は見つかりませんでした。
僕のバッジもどこかで地上の星になっているのでしょう。