夏の独唱。
九月のおわりかけに
木立からセミの鳴く声が聞こえた。
いつもは合唱で聞こえてくる鳴き声も、
このときは独唱だった。
そのひとりきりのセミは、
強く高く大きくおもいきり鳴いていた。
ひとりだけの世界を謳歌しているように。
あるいは、世界に自分しかいないことを嘆くように。
ふだんは、うるさいと思ってしまう鳴き声も、
このときばかりは切ない気持ちが湧いてきた。
夏のおわりは、いつもしんみりする。
2016年10月8日 12:00 AM | カテゴリー:ぜんぶ, 3バカ日誌 : 木村泰斗 | コメント (0)