心の声という能力

口にはださない「こころの声」というものがあります。
いまも声に出さずに、こころで話している言葉を
こうして文にしたためているところです。
じつはたいへんお恥ずかしいことだと思うのですが、
この「こころの声」を自分だけの特殊能力だと
子どものころ、本気で思っていました。

心の中に人物が出現し、会話劇を繰り広げる。
自分が、もう一人の自分に問いかける。
こんなことは、自分にしかできない芸当だ、
とマジメに思っており、世界で一人だけということに
不安で怖い気持ちを抱いておりました。

今では、この能力は、自分一人のものじゃなく、
人間が持っている能力なんだと気づきましたが、
世界に一人しかいない、と思っていたときは、
嬉しいとか、選ばれた人間だとかより、ただただ怖かった。

みんな持ってる能力なんだと気づいたとき、
(なぜ気づいたのかは忘れてしまいました)
僕だけじゃない、一人じゃない、と、
この世界で生きることが、すこしほっとしたのを覚えています。

誰かがいる、というのは、
それだけで生きやすくなる。
そんなことを冬空を見ながら思い出しました。