忘れられない夏の夜。
中学2年のときの夏の夜。
眠りに落ちたあと、
急に目が覚めました。
部屋の電気が点いていて、
「あ、消さなきゃ」と思い、
身体を起こそうとすると
ある異変に気がつきます。
足が腕が首がまったく動く気配がないのです。
指の先すら動かない。
金縛りというやつか、と思っていると、
突然、胃のほうから口のほうへ
ものすごい勢いで汚物が逆流する感覚が襲ってくる。
仰向けになっていたぼくは、
このまま吐いたら大変だと不安になり、
身体に懸命に信号をおくります。
動け、動け、動けえええ!
でも、意識とは反対に、
ピクリとも反応してくれません。
軽いパニック状態になっていたぼくは、
眼球だけは動くとわかり、
瞳をキョロキョロさせていたら、
前方に髪の長い女の人が佇んでいるのを見つけました。
パニックになりました。
そのあとのことは全く覚えてません。
その日を境に、ある変化がぼくに訪れます。
友だちから、
「タイちゃん、バカになったね」と
言われることが多くなったのです。
もしかしたら、いえ、きっと、
木村泰斗という器の中身が、
あのとき入れ替わったのです。
ぼくがバカなのは、
ぼくのせいじゃありません。
本来の頭のよかった自分は、
どこかにいってしまったのです。
2013年8月31日 12:00 AM | カテゴリー:ぜんぶ, 3バカ日誌 : 木村泰斗 | コメント (0)