2013年03月

ある占い師の話。

男は、占い師に言われた。
「あなたは1年後に死ぬでしょう」
男は、信じた。
家族や友達や先生の言うことも信じなかったが、
占い師の言うことだけは信じた。

そして男は、貯金を下ろして、
お金を使い果たした。
貯金がなくなったあとは、借金をして遊び尽くした。
家族や友人には、占い師に死ぬと予言されたことも、
借金のことも、話さなかった。

そして占い師に告げられた時から1年が経った。
しかし、男の身体に、とくに異常はなかった。
男に残ったのは、多くの借金だった。
この借金を返すために働かなければならないが、
占い師に告げられた翌日に、男は仕事を辞めていた。

男は、再就職しようとも考えたが、
1年間の休職期間のことを再就職先に
なんといって説明しようかが思い当たらなかった。
どうしようもなくなった男は、気づくと
住んでいたマンションの屋上に上がっていた。

「あなたは1年後に死ぬでしょう」

という占い師の予言を男は思い出した。

集めたくならないから使うことができる。

ぼくは貯金ができません。
入った分だけ使ってしまいます。
将来のことを考えて
貯金しなければ、と息まいても
よくて2週間坊主で
蛇口を勢い良く開けてしまいます。

もし硬貨や紙幣のデザインが
それこそカードダスのように
たくさんの種類があって
レアカードのようなものもあったりして
集めたくなるようなシロモノだったら
コンプリート魂に火がついて
お金を集める=貯金ができるんだけどー。

て、ほんとにそんな施策が始まって
みんながお金を集めだして使わなくなったら
大変なことが起きてしまいます。

そう考えると、いまのお金って
集めたくならない、でもダサイとも思わない
絶妙なバランスでつくられているのかな。

『走れ長谷川』

長谷川は激怒した。
必ず、かの邪智暴虐(じゃちぼうぎゃく)の王を
除かなければならぬと決意した。
長谷川には政治がわからぬ。
長谷川は、村の牧人である。
笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。
けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。
きょう未明、長谷川は村を出発し、

・・・いきなり何をしているのかと言いますと、
『走れメロス』の冒頭部分の
「メロス」を「長谷川」に変えて、記してみたのです。

小説を読んでいて、
じぶんの名前や、知り合いの名前が出てくると、
せっかく小説の世界に入っていても、
一瞬で現実に引き戻されてしまいます。

逆をいえば、現実とリンクして、
小説家自身が予想もしなかった世界の想像を
読者は味わえます。

ふと思ったのですが、
電子書籍なら、主人公の名前をじぶんの名前に
変換することがカンタンにできますね。

なかなか流行らない電子書籍ですが、
こういう使い方を見ると、
ちょっと読書がたのしくなりそうじゃないですか?

人間が生んだ虫。

人間がいるってえことは、
そこにビルなり住宅なり
なにかしらの建物が建つってえことでして。
そうすっと影の絶対量が増えて、
地面の表面温度が下がりやす。
ということはですよお、お頭。
こりゃ想像ですがね、
あくまであっしのポンコツ頭の中で
想像しただけなので
あんまり真剣に受け取られても困りやすが、
地面の温度が下がるっつーことは
虫や犬や猫の足は冷えますから、
虫や犬や猫の子孫の足は厚くなってるかもしれやせん。
動物ってのは環境に適応するために
姿を変えていきやすからね。

あっしは思うんです。
なにも影に限った話ではありゃしませんが、
人間がいることによる影響で
生まれた虫や動植物が
いるかもしれねえってことを。

文字変換が、気分変換にならないだろうか。

知っている人は知っているでしょうが、
Googleの検索窓に [妻 ] と打つと、
[妻 誕生日プレゼント] という検索候補が出てきます。
で、[夫 ] と打つと
[夫 死んで欲しい] という検索候補が出てきます。

ケータイでも単語を打つと、予測変換が出てきますね。
[りょ] って打つと [了解] が。
[あり] って打つと [ありがとう] が。

なぜこんな話をするのかといいますと、
ケータイ側で、あらかじめ予測変換を仕込んでいたら
おもしろいんじゃないかという気がしたからです。
予測変換というか、もう会話のように、たとえば、

[了解しました] と打ったら [承知しました]

[なに食べる?] と打ったら [ラーメンでいい?]

[疲れた] と打ったら [わたしも疲れたよ]

[死にたい] と打ったら [あしたでいいじゃん]

てな具合に。
[ありがとう]が予測変換で出てきて、それを使う時、
[ありがとう]を使いまわしている感がして、イヤですよねぇ。