最終形態か。

江戸時代に描かれた浮世絵を見ていると
傘の姿は今とあまり変わらないみたい。
機能も驚くほどの進化はないんだろうと思われる。
昔と大きく違うのは柄のボタンを押すと
自動に羽根が広がるくらいでしょう。

19世紀ごろにイギリスで自動車が広まったけど
当時の車と今の車を比べると
姿も性能も100年分の歩みを感じずにはいられない。

モノには、最終形態のモノと
発展途上のモノがある、ということかしらん。
たとえば、紙や鉛筆なんかは、ほぼ最終形態でしょう。

でも、ですね。最近、果して今の時点で「コレは最終形態である」、
と裁判官が判決を下すように言い切れるモノがあるのかしら、
と思うようになりました。

そう思い始めたキッカケが「本」であります。
何百年間も姿を変えずに生き続けてきた「本」。
今の姿が最終形態であろうと睨んでいたのだけれど、
ご存知のように電子という黒船が突如現れて
紙世界に侵略し始めているようでして。

突然変異というものは生物だけではなく
モノにも起こるというわけですね。
それ故、いま最終形態と思われるモノたちも
まだまだ発展途上なのかもしれません。