2012年09月

進化するほど、退化していく

嗅覚ダメ。聴覚ダメ。
人間てのはいまあらゆる動物の中で
いちばん退化しているんじゃないかしら。

空を飛んだり、字を書いたり、
火を操ったり、電気をつくったり、
見かけは、進化しているように思えるけれど。

動物本来の能力で比べたら、下から数えたほうが早い
と言われても驚かなそう。

人力車のお兄さんたち

鎌倉で暮らし、
鎌倉の会社で働いているぼくには、
毎朝、感動することがある。

眠たい目をこすりながら、歩いていると、

「おはようございます!」

人力車のお兄さんである。
もしかすると、
ぼくより年下なのかもしれないが、
“お兄さん”と呼びたくなってしまう。
そんな彼らは、毎朝、
鎌倉の街の掃除している。
いいことやってるみたいな嫌味な感じもなく、
じつに清々しい笑顔。
たぶん彼らは、鎌倉の街を、
じぶんたちの職場だと本気で思っているのだろう。

だから、鎌倉の街にゴミが落ちていることは、
彼らにとって、職場にゴミが落ちていることなのだ。
彼らを見るたびに、心がお掃除される。
だけど、人生はむづかしい。
ぼくの部屋は、いっこうにキレイにならない……。

ただの乗り物ではない。

仮眠室にもなり、
読書室にもなり
思考室にもなり
自習室にもなる電車。
普段、出会わないような人と隣同士になる電車。

毎日の往復の中で、
いちばん非日常な空間
かもなあと思ったりします。

ぼくが70億人いても、文明は発展しないと思う。

ぼくが70億人いても、宇宙には行けないと思う。
ぼくが70億人いても、電気はつくれないと思う。
ぼくが70億人いても、自給自足はできないと思う。

でも、ぼく以外のひとが、70人いたら、
なんとか生きていける気がする。

人間がひとりじゃなかったから、
人類は月に行けるようになったんだと思う。

と、おおげさなことを言わなくても、
いろんなひとがいるほうが、おもしろいし、
あぁこんなひともいるんだなぁと知ることはおもしろい。

右往左往

駅のトイレの傘かけは
一つの便器に対して
右と左に傘かけがある。
どっちの傘かけに
かければいいか迷うぞ。

映画館のひじ掛け。
どっちのひじ掛けに
ひじを置けばいいのか迷うぞ。

レジに並んでる人の数が
同じだったとき、
どっちに並ぶか迷うぞ。