おいしいたべもの。

おいしいものは大好きだけれど、
ブランド牛のステーキだとか、
大トロのにぎりだとか、
三ツ星シェフのつくった
フレンチコースだとか、
そういった「おいしいもの」を
食べる機会は、そうそうないわけです。

そんな高いものじゃないと
おいしいものを食べたときに感じる
幸せの極致のようなものを
味わえないのかというと、
そんなこともないところが、
人間のすばらしいところだと思う。

いきなり大げさな話になりましたけど、
本当にそう思うのですよ。

たとえばね、きゅうりのぬか漬け。
古今東西を問わず、おふくろの味のひとつですが、
これだって高級料理に負けない喜びが
得られます。と少なくとも僕の舌は
もうしております。

新鮮なきゅうりと、手入れのされたぬか床。
それと、経験。

人間は平等だというのとおなじくらい、
人間の舌は平等だと言いたい。