二度と会えないからって、消えるわけじゃない。
「君は才能あると思うよ。何の才能かはわからないけど」
同じタイミングで会社とサヨナラした同期。
「君はしゃべると面倒くさくなるから黙ってたほうがいい」
卒論を担当してくれた先生。
「おれはたぶん実家で死ぬんだと思う」
進学校を卒業して地元で就職した友人。
「お兄さんはすごくハンサムだよね」
ぼくのことはハンサムだと言ってくれなかった幼馴染。
「てっちゃんもいっしょに転校しようよ」
小学校のころ転校していった同級生。
「レシートは、いらないですよね」
と勝手に客を決めつけるけど、
おつりを渡すときは必ず手を添えてくれたファミマの店員さん。
「おかえりー」
ぼくが「ただいま」と言うと、いつも返事をしてくれた祖母。
「ほしいもんあるかね?」
ぼくが風邪をひくと、3kmの山道を歩いてポテチを買いにいった祖母。
「・・・・・・」
ぼくが「ただいま」と言ってるのに、返事をしてくれない祖母。
「・・・・・・」
ぼくが「クソあつい」と言ってるのに、お墓にひきこもっている祖母。
「・・・・・・」
ぼくが線香あげてチーンしてるのに、シカトする祖母。
「・・・・・・」
自問自答自演している、ぼくの心臓の横のへんにいる祖母。
ずっと会ってなくても、
もう二度と会うことがなかったとしても、
この人たちの存在を信じている。
ぼくはアメリカに行ったことがない。
というか、日本から出たことがない。
それでも、アメリカ大陸の存在や、
アメリカの大統領や州知事の存在を信じている。
それと信じる度合いはまったくいっしょ。
ずっと会ってないけど、この人たちは確実にいる。
2011年6月11日 8:00 PM | カテゴリー:ぜんぶ, 3バカ日誌 : 長谷川哲士 | コメント (0)