2011年04月

パンチラと紳士。

春のイタズラな風に心ときめかす。
そんな紳士諸君への覚書。

あくまでも偶然に期待すること。
張り込みなどをしてはいけない。

風が吹いたからって
急にきょろきょろしてはいけない。

ここぞとばかりに大きなカメラを持ちださない。
かといって小さすぎるカメラはもっといけない。

まばたきをシャッターがわりに
ぱちぱちさせてはいけない。

たとえ下にショートパンツをはいていても、
「ちぇっ」と言ってはいけない。
むしろそのガードのかたさに感心すべし。

感謝は心の中で神様にすること。
まちがっても本人に直接してはいけない。

カメラではなく脳内に記憶する。
これも記憶力の鍛錬と心得るべし。

頭の中で妄想をふくらませてはいけない。
下半身も一緒にふくらませてはいけない。

すべてをなかったことにして
脳内にだけこっそり記憶することが、
紳士のやさしさと知るべし。

とはいえ大体すぐに忘れるので、
女子もあまり気にしすぎてはいけない。

紳士たる自分を忘れないこと。
くれぐれも、おまわりさんのお世話になってはいけない。

くだらないものほど、男のロマンがあると知るべし。

(生きてるだけで、意味があるさ~)

ぼくがいることで
世界は0.1mmも変わりゃしないけど、
誰かの人生に影響を与えて
それが巡り巡って、
0.00001mmぐらいは世界が変わったりする。

たとえば落ちてる財布を警察に届けて持ち主の所に
届いたら、その人の人生に0.001mmくらいは
影響を与えてるかもしれない。
友だちに、女の子を紹介してめでたくゴールインしたら
1cmくらいは影響を与えてるかもしれない。

もちろんぼくだって周りの人から
たくさんの影響を受けている。

だから存在価値がない人間なんていないんじゃ。

おいしい動物

もうすでに混ぜる必要などないのに、
彼女は音を立てて、カップの中をかき回す。
(「サクリファイス」より)

前のベンチで白人のカップルが(おそらく)別れのキスをしている。
その様子をすぐ近くで三歳くらいの日本人の
男の子が不思議そうに見つめている。
世之介はバッグからカメラを取り出すとその男の子をパシャリと写した。
男の子の表情は、二人が何をやっているのだろうかというよりも、
この先どちらかがどちらかを食べるのではないかと
心配しているように見える。
(「横道世之介」より)

昭子は美しく若い女だった。若いといっても初夏の樹のように
はつらつとした感じではなかった。
月の光で虹ができるものなら、それに似ているといえよう。
どことなくすがすがしく上品で、そして清らかだった。
(星新一の本より(題名を失念してしまいました))

人によって浮かぶ映像は違うかもしれないけど、
人は、言葉と想像力で見ることができる。
自分以外の物語を体験できる。

ただそれだけなんですけど、
人間ておいしい動物だなあと改めて思いました。

何かが見えなくなると、別の何かが見えてくる。

街のネオンがボリュームを
おさえてくれているおかげで
信号機が見やすいです。

青信号は、前とおなじ青だけど
心強く、進みなさい
と言っているようでして。

赤信号は、前とおなじ赤だけど
ノートにつける赤のように
はっきりと目に入ってきます。

もしかすると、
情報があふれすぎていたせいで、
ほんとうにたいせつな記号が
見えにくかったのかもしれません。

今年の交通事故が
すこしでも減っていたらうれしいです。

※青信号の意味は、「進め」ではなく「気をつけて進め」です。

はじまりの音

トントントン、
チュンチュン、
おはよーございまーす!
ガタンゴトンガタンゴトン、
ブォーーー。

主婦が朝の支度をする音とか
鳥のさえずりとか
子どもの元気な声とか
電車の音とか
車が走る音とか
目が覚めると、いろんな音が聴こえてくる。

1日がいつはじまるのかわからないけど
朝、みんなが出す音が
1日のはじまりを告げる音なのかも。