人がのっていない唯一のお札。

・これじゃ、無人島でみつけた缶づめと同じじゃないか。
・なんで自動販売機で使えないんダヨ。
・レジの店員さんにイヤな顔されたじゃねーかよ。

この国では、2000円札は
もう刷られていないようです。
ぼくは彼のことがとても好きでした。
このウザがられ具合は、他人事には思えません。

そんな彼の有効的な使い方をぼくは知ってます。
お年玉で彼を使ってやるのです。

ぼくのお年玉ライフをふりかえると、
2000円というのが最小のお年玉価格です。
1万円くれる人がいるなかで、
1000円札2枚しかくれない人は、
なんだかケチな人間に思われてしまいます。

「ちぇ、2000円かよ・・・」
(いやー、子どもって残酷ですねー)

ここで、我らが2000円札くんの出番です。
1000円札2枚を「2000円札」に変えるだけで、
「なにこれ!?」
というリアクションに変わります。
印刷してある色は、
5000円札や10000円札と同じだし、
ちょっと大げさに言えば、
1000円札3枚以上の価値があるような
錯覚をあたえることが可能です。

さらに、お年玉は年齢に比例して
価格があがる習慣がありますが、
毎年2000円札を贈りつづければ
コストもおさえることができ、
さらにさらに、「2000円札のおっちゃん」として
市民権をえて、納得してもらえることでしょう。

2000円札がいなくなったら、
ぼくの築きあげてきたブランディングが
ムダになってしまいます。あぁせつない。

※2000円札の表面には人いないんですけど、
  裏には源氏物語の登場人物がいました。