幸せは、八分目にある。

おなかいっぱいになるまで
食べることは幸せです。
おなかの許容量を超えてごはんを食べる。
おいしい幸せが増えていく。
でも、そのあと、ちょっと不幸がやってくる。
おなかがぽこんと膨らみ、
脂肪がたまり、肉の厚みが増していく。
そして、後悔の波がやってくる。
だからやっぱり、幸せのままでおわれる
ハラ八分目くらいが、
いちばんおいしい食事なんだと思う。

一生のさいごに鳴き始めるセミ。

夏の盛りを示すように「ミーンミーン」と
セミのリサイタルが連日開催されている。
彼らは数々の試練や苦難を乗り越え、
その歌声を僕たちの耳に届けている。

土の中で生活しているときは、
モグラに襲われ、菌に侵される危険がある。
自分で守る力はないし、守ってくれる親もいない。
そうした恐ろしい少年少女の時代を乗り越え、
地上に出ると、こんどはアリが待ち受けている。
人間にとっては恐るに足らない虫でも、
セミにとっては恐怖の虫でしかない。
彼らの目をかいくぐり、羽化をし、
成虫しても、鳥や蜂が目を光らせている。
そして、いちばん恐ろしい人間が狙いにくる。
攻撃手段を持たない彼らは、
見逃してくれることを待つしかない。

「ミーンミーン」と鳴いているセミは、
そうした厳しい毎日を勝ち抜いてきたセミなのだ。
その鳴き声はメスへの求愛歌だと言われているが、
彼らの一生を思うと、人生の勝利の歌声にも聴こえてきます。

生きていると悩んでいる。

今は選び放題の時代だと思います。
服を買うにも、ノートを買うにも、
ランチのお店を選ぶにも、
目的地までの道を考えるにも、
夜の時間の過ごし方を考えるにも、
休みの日に何をするかも、働き先を考えるにも、
数え切れないほどの選択肢がある。
「人生は選択の連続である」と言いきっても
間違いないくらい選択の連続です。

縄文時代、弥生時代、奈良時代、鎌倉時代、江戸時代と
これまでさまざまな時代が通り過ぎてきましたが、
モノであふれ、情報であふれ、自由にあふれる今の時代は
いちばん選択肢の多い時代だと思います。

だから悩みも多くなっているんですけどね。
選択肢が多いほど、悩みも多くなる。
「人生は選択の連続である」というと
ちょっとかっこいいですけど、この言葉の裏側には
「人生は悩みの連続である」が隠れています。

みんな悩んで生きているのです。
自分だけではないのですよね。
さて、明日は何をしようかな。

世界を貸しきろう。

人や生き物の気配が静かになる真夜中は、
世界を貸切ったような空間が、
地図上のところどころで出現する。

梅雨が明け、夜の世界を楽しみやすくなった
この時期は、貸切世界の開演です。

仕舞うところまでが洗濯です。

夏のシーズンになると、
臭いの信号を受け取る回数が増えてくる。
ツーンと鼻をつく酸っぱくて嫌な臭い。
その臭いに遭遇する回数が増えてくる。

犯人の目星は、だいたいついています。
わたしです。わたしが臭うのです。
服をベランダに干しっぱなしにする怠け癖のせいで、
生乾きの臭いが付着した服をよく着てしまう。

洗濯は、洗って干したら終わりではない。
たたんで箪笥に仕舞うところまでが洗濯なのだ。
そう心に刻んでクリーンな夏のわたしを目指します。